習慣を味方につけて、わたし改革。「読書その4」

良き習慣

過去の読書本は ↓ こちら。

「読書その1」

「読書その2」

「読書その3」

ひとり暮らし(10冊目)

ひとり暮らし 谷川俊太郎 著




谷川俊太郎さんは詩人である。

詩人の日々の暮らしを

本書のエッセイで

覗き見することができる贅沢な一冊。


暮らしが、おしゃれで洗練されていて

なんだか、始めのスタートから

凡人とは違うスマートで美しい

人生のように感じた。





わたしは読みながら

ハイセンスでおしゃれな雑誌を

めくっているような気分になった。




才能、環境、経験、愛にも

全てに恵まれた魅力的で豊かな人。

本書を読みながら、そんな印象を持つ。

そして、わたしとはかけ離れすぎて

人生に不公平さを感じることもあった。


当然、何も本書が、気取っているとか

それを見せびらかすとか

そういうことではない。



わたしのただの嫉妬心だ。



自分の何気ない日々の暮らしを

こんな上品で、柔らかく美しい言葉に

置き換えることができたら

どんなに良いだろうという憧れである。







わたしは、谷川俊太郎さんの詩が大好きだ。

確か中学生の教科書に

谷川さんの詩があったと記憶している。


わたしは、教科書に載るほどの人は

「昔の人で、もうこの世にいない人」だと

勝手に思い込んでいたので

ご健在だと知った時には

とても驚いたし

嬉しかったのを覚えている。



本屋で谷川俊太郎さんの詩

「やわらかいいのち」を読んだとき

心が震えた。

そして、わたしも詩を書きたい!


そう思って、詩を書いていた時期がある。




その頃、自費で作った詩集を持って

谷川俊太郎さんのイベントに

2回ほど行ったことがある。


遠くから拝見するだけなのに

お会いできるのがうれしすぎて

すごく緊張していたのを覚えている。



谷川さんは、見た目は

「小さなおじいちゃん」(ごめんなさい)

という感じだけど

声や話し方は、透明感があって

包容力がある。


わたしは

「存在が宇宙のような人」

と感じた。


手が届きそうで、やっぱり届かない。

届かないけれど、自分の内に

近くにも感じる不思議な人。

人間臭くない人。

そんな感じを受けた。



そのイベントでのサイン会で

自作の詩集と手紙を

渡したら(今思えば申し訳ない)

短いメッセージとハードカバーの

ノートを送ってきてくださった。


わたしは、もうそれはそれは

うれしくて、うれしくて

天にも昇る心地だった。






詩は、頭での理解の回路を通らず

直接、心に流れこんできて

カタルシス(浄化)を起こしてくれる。


だから、わたしは詩が好きだ。


しかし、このエッセイも

読み終えた後、しっかりカタルシスを

起こしてくれた。


人の一生は

すごく良きものとして高揚するのも

悪しきものとして卑下するのも

本当は違うんじゃないかと思わせてくれる。


本書は「真ん中、中庸、ゼロ地点」の

平和、調和、美しさを感じる。


日々の暮らしで

このあたりにいることを持続するのは

難しいけれど、私たちの本質が

この世界の本当の姿が

そこにしかないのでは?と思える。



兎にも角にも、谷川俊太郎さんの言葉に

触れると、こちらの雑多な日常が

全肯定されて美しく書き換えてもらえる

ような、カタルシスを感じるのである。








習慣が10割(11冊目)

習慣が10割 吉井雅之 著



「〇〇が9割」という本は

見かけたことはあるが

これ、10割(どーん)!!

10割とは100%で、つまり全部。すべて。




これは、ちょっと衝撃だ。






わたしは本書を読む前

めちゃくちゃワクワクした。


習慣が10割なら、習慣を変えれば

人生が変わるということではないか。


これは今のわたしには

朗報以外のなにものでもない。


本書では

「今の自分を作りあげたのは

自分自身である。」

「過去の言葉や行動、思考など

一つ一つの積み重ねが

今の自分を作り上げてきた。」

とある。




なるほど〜。

そんなふうに考えたことなかった。

いつも、勝手にこうなってきたと

思ってきた。


けれど、そう考えれば

人生のハンドルが

自分の手の内に戻るような

喜びを感じる。






この一文だけでも

この本の価値があると

わたしは感じた。



けれど、それに止まらず

「脳の仕組み」から

「習慣化のコツ」など

とてもわかりやすく説明されている。




わたしも習慣を味方につけて

人生今よりちょこっとづつ

楽で幸せになっていこうと

目論んで3ヶ月。

今より、ちょこっと幸せになるために。習慣を味方につける。「ただいま実験中」




やっぱり習慣を味方につけることは

最強なんだと改めて思わせてくれた本書。

わたしのバイブルになるのは間違いない。




その日のまえに(12冊目)

その日のまえに 重松清 著




正直な感想。

「重かった…。」

けれど、とても大切なことだった。

生まれたら、万人が避けては通れない

「死」。


わかっちゃいるけど

日々の暮らしの中では

なるべく遠くへ追いやっていたい。



けれど、本当は

身近に置いておかなければ

ならないことなのだろうと

わたしはどこかでわかっている。






わたしも両親を癌で自宅で看取っている。

「病気」や「死」がやってくると

わたしだけが「日常」から

「非日常」に、ぽーんっと

放り出されたような気になる。



わたしだけを残して

世界が動き続けているような

そんな気分になる。



大切な人が日に日に衰えていくのに

こちらはこれまでと同じように

食べて飲んで排出して洗い寝る。

このちぐはぐな感じが

余計に「非日常」を色濃くする。


残された時間が少ないと

わかっていながら

一縷の望みや

沈んで重くなりすぎずとか

できる限り悔いを残さぬようにとか

考えあぐねているうちに

その時間を測り損ねてしまう。


つまりは、答えも正解もない問いに

ない頭をぐるぐる空回りさせ

「どうしよう、どうしよう」

「どうしたらいいの?どうしたらいいの?」

と、連呼するしかない弱い心を抱える。


そして最後には無力感を感じるしかない。





人の存在は理屈じゃない。

その人の見た目や性格、気性など

そんなものは取るに足らないことで

存在こそが全てだと

わたしは感じている。


存在とは

一枚の絵を共同で創造している

ようなものだと感じる。

どうしても、どんな色であっても

なくてはならないもの。


必要とは役割においてではない。


存在は、もうすでに

かけがえのないことを

達成しているのである。



死んだ人は、残された者を

より「生きる」ことへ

向かわせると感じる。


残された者は、生きるために

「死んだ人」のことを考える。


どこかに着地点があるわけではないから

本書にあるように

「考え続ける」ことには

同感しかない。


本書を読んで、わたしの中で

先に逝った人たちのことと

見送った自分の在り方に

決して、すっきりすることはないのだと

改めて、励まされた心強さを感じている。



まとめ

読書を習慣にと始めてから

本屋さんに行く機会も増えた。


最初、物を増やしたくなくて

電子書籍も考えたのだが

やっぱり紙の方が親しみやすくて。


最近はおしゃれな本屋さんが増えてきて

カフェが併設されていたり

同じ空間でおしゃれな雑貨も

並べられている。


その空間にいる人たちも

景色の一部となって

心地良い雰囲気を醸し出している。



ものすごい数の本があるけれど

これは全部

誰かの頭の中や心や経験なのだなと

感慨深いものがある。



本は、楽しい。

と、今のわたしは感じている。

読んでくださり

ありがとうございました。

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